Ex-Berliner

日記とかドイツ史とか

引っ越しとかヴィリーの誕生日とか

お久しぶりです。

2月に急遽引っ越しすることになり、パソコンとインターネットが自由に使えるようになるまで待っていたら、例年になくヴィリーの誕生日イラスト(1月27日)を描くのが遅れました……。

ブログも更新したかったのですが、誕生日絵を完成させる前に引っ越し云々書いてしまうと、なんか描くの諦めてしまいそうで我慢してしまった……今日ようやく完成したのでブログも更新となりました🙏

 

www.pixiv.net

 

 ↑pixivに投稿してきました。

 

近況報告で言いますと

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黒パンと目玉焼き乗せフライシュケーゼでドイツ人ぶったり

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カラジョルジェヴァ・シュニッツラ(セルビア料理の、中にチーズを巻いたシュニッツェル)を作ったりしていました

ベオグラードで昔食べたやつはもっとちゃんと豚肉が薄く叩かれていて綺麗にまとまったお上品な見た目だったんですが、私が作るとバカの食べ物になっちゃった……(赤い肉汁が出ているところからもわかるようにゴツすぎて上手く火を通せなかったので、電子レンジで追加加熱しました)

1年前のヨーロッパ旅行で気づいたのですが、付け合わせにフライドポテト添えとくとなんでもヨーロッパ現地の食事っぽく見える。

 

 

3月の目標

読書とか読書記録とか落書きとかドイツ語のポッドキャスト毎日聞くとか色々やっていきたいです。

 

 

 

2024年1月近況

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

①2月のコミティア申し込みしそびれました……。

特に今プロットとかネームとかがある訳ではなく、申し込めば何かができるという気持ちでいたのですが、普通に気づいたら締め切りを過ぎてました……。

じゃあ次は5月かな~とか悠長に思っていたのですが、今年5月のコミティアは月後半の開催なんですね(何年か前まではゴールデンウィークにやっていた気がする)

諸事情で5月半ばからしばらく東京にいないので、次回サークル参加できるコミティアはだいぶ先になりそうです。来年かな……。2024年になったばかりですが……。

久々にコミケ参加するのもいいかもな~と思いつつ、自分の中でコミケがX(旧Twitter)と結びつき過ぎていて、なんとなく気持ち的に遠ざかっている。なんやかんやでコロナ以降のコミケに一度も参加(サークル、一般ともに)できていません……。

どうでもいいんですが、ドイツのメディアでも「X(旧Twitter)」という表記に対応するPlattform X,ehemals Twitterという定型があるのに笑ってしまった。オタクの20代の青春(おぞましい)を丸ごとTwitterで送っていたからX(旧Twitter)という表記に毎回寂しさを感じてしまう。

 

②初めてオペラを観劇しました(新国立劇場シモン・ボッカネグラ』)

ベルエポックのオタクがオペラ見たことないとか……嘘だろ!と思いながらここ数年生きていたので、やっと見れてよかったです。

東京にはオペラの常設劇場があるんか!39歳以下はチケットを1万円で購入できる(U39チケット)んか!という感じで去年11月に恐る恐る行ってまいりました。

なんで演目がシモン・ボッカネグラなのかというと、ちょうど去年旅行した時にベルリンの歌劇場で公演されていた(けど予定が合わなくて見れなかった)のがシモン・ボッカネグラだったからです。

オペラの中でもお堅いというか、喜劇的な部分は全くない作品なので(しいて言えば主人公シモンの娘婿がかなりアホの子っぽいところか……)多分オペラ初心者向けではなかったと思う。出てくる役者全員歌が上手い舞台は見てて気持ちええ~!という心で観劇していました。

しかし私がミュージカル(=マイク使用歌唱)に慣れ過ぎているからなのか?オケの音量がすごく控えめに思えて、生の舞台は鼓膜脅かすくらいの音量で聴きたいよなと思ってしまいました。

本当はその次に公演されていたシュトラウスの『こうもり』も観たかったんですが、人気演目過ぎてチケット取れず……まさしくこちらは初心者向けだし世紀転換期の話ですし……

ドイツ語オペラが見たいよ~!!3月の『トリスタンとイゾルデ』も気になってはいるんですが、これも人気過ぎてU39チケット取れないパターンかもしれない。

ミーハーなのでデジタル化されたオイレンブルクの回想録をOper(オペラ)で本文検索して、彼もしくは皇帝の具体的なオペラ観劇のエピソードが出てこないかしらと思ったんですが、そんな簡単には見つからなかったです。

 

③洋書は買えるうちに買った方がいいね

まどマギの映画続編の報を聞いたらドイツ語版の叛逆の物語DVDが欲しくなってしまったんですが、今検索してもどこも在庫が出てこなくて悲しい。(TV版エピソードのドイツ語版DVDは持ってる)

その他にも欲しいものリストに入れた洋書が在庫切れになってめちゃくちゃ高騰している事案がちらほらあり、欲しいものは早めに買ったほうがいいね……

 

 

去年の後半は創作したものの発表という点では停滞してましたが、ドイツ語を勝手に勉強するという点では今までより時間を割けたので、今年は雑なアウトプットを気軽に、自分の楽しみのためにもしていけたらな~と思います。

あと『失われた時を求めて』は今年前半のうちに読み終わります!(宣言)

 

 

 

DHL Sendungsverfolgung


DHL Sendungsverfolgung (DHL荷物追跡)、この世で1番好きなドイツ語かしれない。

年一と自ら定めている訳ではないんですが、ここ数年は年一でドイツから転送サービスを使って何かしら個人輸入しています。

一昨年はCoffee fellows(ドイツのチェーン喫茶店)の食器類、去年はZehaのスニーカー。

そして今年はMOOTのボディバッグとジャケット、essenceのパレットを頼んで到着待ちです。(essenceは一部製品は日本のAmazonでも普通に買えるドイツのプチプラ化粧品メーカーなのですが、日本では入手できないベルリンモチーフのアイシャドウパレットがどうしても欲しかった……。)

 

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ウオーーー!

荷物がフランクフルトの国際貨物センターに到着するのを見た時、実際自宅に届いた時と同じくらいの脳内麻薬が出ている気がする。

 

ここ数ヶ月毎朝目覚めてユーロ対円を見るたびに鬱になっていたんですが(1ユーロ100円の2012年ドイツでワーキングホリデーをやっていた人間には刺激が強すぎて)、1ユーロ160円が、なんだ。という怒りの波動で購入ボタンを押しました。

それ以来すっきりとした気持ちで毎日を過ごすことができています。

 


で、上述のMOOTというのが、made out of trashの略でして、その名の通りゴミとして処分されるはずだった古い布製品を再利用して製品を作っているベルリンのアパレルブランドです。

 

https://moot.eco

 

このサステナブル…ディブロップメント…ゴー!!!って感じがベルリンだなあと思い、環境問題にはそこまで強い関心を抱いていないがベルリンの""味"""を感じられるものには強い執着を持つオタクとしてはマストバイとなりました。

MOOTは実店舗もベルリンのシェーンハウザー通りと東駅の2箇所のみ、完全にベルリンで手作業で生産しているものなので、これを身につければ今後10年ぐらいベルリンへ行けなくても強く生きられそうです。

 

 

 

 

11月11日

 

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いまだに今年2月の旅行のことをまとまった文章にできてないなーと思いつつ、休戦記念日なのでヴェルダンの写真です。

無数の十字架も凄い風景だったけど、いまだに砲弾の跡で凸凹になっている野原が1番印象に残ったかもしれない。

十字架は後から作ったものだけど、自然が変形させられた跡はまさに人間が死にゆくその時のものだからかなあ……。

わざわざ戦場跡に見出さなくても今日のニュースで凄惨な戦争が見れてしまう2023年11月11日なので、より一層「戦争は博物館のもの(Kriege gehören ins Museum、ウィーン軍事史博物館のスローガン)」ということを思います。

 

 

ヴェルダンの観光センターのお姉さんもヴェルダン博物館の受付のお姉さんもヨーロッパの平均に比してすごく愛想が良くて親切だったこと、ヴェルダンの博物館から納骨堂までクソ重いトランクを引き摺りながら山道歩いたこととか、夕方少し暗くなり始めた頃、山の中の納骨堂から駅まで戻る公共交通機関がないことがその場で発覚し(ちゃんと下調べをすべきでした、夫曰く数年前に訪問した時はバスがあったらしい)震えながら現地のタクシー会社に電話かけたりとか、そのタクシーが来てくれた時マルヌのタクシーのように頼もしく見えたとか、そのタクシー運転手の恰幅の良い黒人のお兄さんが花束を持った小柄な白人のお婆さんを助手席に乗せていて映画みたいだったこと、カーステでマドンナが流れていたこと(Shazamを使ったのでわかった)、あ〜〜思い出が溢れてくる〜〜

 

 

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↑その時のタクシー運転手さんとのやりとり。

SMSでやり取りできて助かりました。

ヴェルダン中心街から博物館と納骨堂までは移動手段タクシーしかないので(徒歩は無理)タクシー使用前提で予定を立ててください!(有益なアドバイス)

納骨堂で行き場がなくなってたアジア人2人を救ってくれた TRANSMEUSE TAXIさんありがとう……。

 

https://transmeuse55.business.site/?utm_source=gmb&utm_medium=referral

(TRANSMEUSE TAXI公式ホームページ)

 

 

 

神保町ブックフェスティバル

 

満員の通勤電車と高い家賃から受けるストレスの代償として……東京の文化資本を味わい尽くしたる〜!ということで、神保町ブックフェスティバルに行ってまいりました

 

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戦利品

 

古本エリアはともかく、出版社の出展エリアは混みすぎてて歩きながら眺めるだけになっちゃいました……

神保町に来るオタクが好きそうな出版社のブースには予想通りに人だかり出来てて笑ってしまった。

 

神保町、ろしあ亭は閉店、山の上ホテルは休館でまた寂しくなりますね……。

新ミロンガまだ行けてないですがあの隠れ家的(皆の知らない良店という意味ではなく、単純に店の内装が)な雰囲気がなくなってしまったのが寂しいです

三省堂〜!!早く工事終わってくれ〜!!!

 

 

『失われた時を求めて』の完読を求めて

はじめに

プルースト失われた時を求めて』を読んでいます。(まだ読み終えてはいません。)

義務感で読み始めたはずが結構面白く(古典名作を読んだ時にありがち)、読書のきっかけや感想、自分なりにまとめた作品概要をブログで書いてみたくなりました。

以下、文学に全然詳しくないオタクのプルースト布教記事みたいな感じです。

 

きっかけ

まず、読み始めたのがいつか正確には覚えていないんですが、岩波文庫版の第1巻「スワン家のほうへ」を購入したのは2021年4月18日でした。(ツイッターアカウントを削除したためツイログで人生を辿ることができなくなり迷宮入りかと思われましたが、hontoの購入履歴を確認したところ判明)

 

 

ウィーンでミュージカル『エリザベート』を観て以来、世紀転換期のオタクとなった自分ですが、その時代を象徴する大作たる『失われた時を求めて』には長らく手を出せていませんでした。率直に、文庫版全14巻という長さにビビっておりました。

しかし、ふと『失われた時を求めて』を読まずに人生を終えるのは嫌だ……という焦りに襲われ、大阪梅田のジュンク堂岩波文庫版の1巻を購入。

(早速脱線しますが、東京に引っ越して1年と半年ほど経った今、広々とした梅田のジュンク堂がめちゃくちゃ恋しいです。池袋のジュンク堂にもいつもお世話になっているんですが、あの狭苦しい感じがちょっと居づらくて……居づらくない……?)

そして2023年10月現在、第7巻を読み終わり、先日神保町の三省堂書店(仮店舗)で8巻を買ってきたところです。

改めて数えると、2年と半年かけて7冊か……。途中で他の本を読んだり、同人誌を描くために読書がストップしたりで遅々とした進みなのですが、多分ガチでプルーストだけに集中して読み続ければ、読書好きな人なら1か月ぐらいで全部読めるのではないでしょうか。岩波文庫版1巻の訳者後書きで「1冊2日のペースで読めば1か月で読破は可能。完読の難しい作品ではない。(要約)」と書かれていて笑いました。

 

失われた時を求めて』をどの翻訳で読むか?というのが、難解な本編に触れる前から私を悩ませた問題でした。

www.bluesoyaji.com

 

こちらのような、文体を比較しているブログ記事を読んでみたり……。

最終的に文体云々というより、一番新しい翻訳で(2011年から刊行が始まって2019年に完結)、図版が豊富で、細かい解説のある岩波文庫版を選びました。

プルーストがネチネチネチネチと19世紀末の情景や風俗、当時のフランス人なら知ってる作品等を描き出すのに対して、岩波版が執念深く注を付けているのには本当に感服します。見開きの半分が全部解説になってる時がたまにある。注が巻末じゃなくて本文内のページ端にあるのも作品への没入を妨げなくて助かります。

それに『失われた時を求めて』は実在の芸術作品を引き合いに出すことが多いので、作品内で言及があったほぼ全ての作品を掲載している岩波版は読んでて楽しいです。

というかこれがなかったら多分私はここまで『失われた時を求めて』を読み進められてないと思います。リアリスティックな小説の記述に対して具体的なイメージを浮かべられないのって厳しいよね……

 

 

読み始めの印象

率直に1巻の冒頭、主人公の心理描写を読み進めるのがつれえ~~~~~!!!!!となりました。子供時代に自分が感じた、母親がそばにいてくれない寂しさを延々と主人公が回想する場面なのですが、なんか読みづらかった。自分だけが先に寝て大人だけまだ居間でテレビ見てるあの感覚ね、みたいな皮相な理解をしていた。

とりあえず、マドレーヌを紅茶に浸して記憶が蘇るところまで読もう……。(プルーストに安直に手を出したオタクが全員考えてそうな基準)と思い、なんとか頑張りました。

というか、逆に、今のところこの冒頭部分以外でそんなに読みづらいと思った箇所がないです。自分がプルーストの文章に慣れたからなのか、コンブレーの田園の描写に心躍らなかったのか、メイン登場人物が複数出てくる前の助走段階だからなのか……。

1巻だけ読んで、もうええわ……となった人がいるなら、2巻からめちゃくちゃ読みやすくなるから2巻の「スワンの恋」だけでも読んでくださいと言いたい。

 

しかし1巻の後半で既に同性愛に対する言及があったり(ヴァントゥイユ嬢と女友達)、長大だけれども作品のテーマはずっと一貫しているのですよね。

でも私側の記憶力が悪いので2巻で出てくるヴァントゥイユのソナタの話を読んでいる時はヴァントゥイユの娘のくだりとかすっかり忘れていました……

失われた時を求めて』を諦めずに読むコツは、登場人物を忘れて再登場時に「誰?」となっても気にしないことですね(全員を記憶したまま読むのは常人には普通に無理だと思います やっぱりビジュアルがあるって大事だな アイドルマスターシンデレラガールズのキャラは190人覚えられるもんね)

 

 

2巻に突入

話の内容がスワン(ユダヤ系のブルジョワだが、社交界の寵児で王族とも親交がある)の恋愛話になり、文体はともかく、描かれる事象自体が急に俗っぽくなるので1巻よりだいぶ読みやすかった。

この2巻の「スワンの恋」部分だけを抜粋して映画化もされているらしいです。

今確認したらシャルリュス役がアラン・ドロンでビビりました。

 

この巻から、「19世紀末の貴族やブルジョワたちの人間観察」の軸と「主人公の芸術・人間理解」の軸が交互に出てきて話が進むよ~という構成が見えてきたのも読みやすくなった一因かもしれない。

大体で言うと2巻はスワン回、3巻はノルポワ(老獪な外交官)紹介/主人公の幼い恋の話、4巻は水着回(水着は出てこないが海辺の避暑地での話なのでイデアとしてはアニメの水着回)、5巻はサン・ルー(主人公の親友)回、6巻はドレフュス事件/祖母の死、7巻はゲルマント公爵夫人回なんですが、『失われた時を求めて』は話の進行と話の舞台(場所)の変更が連動してるのもありがたいですね。舞台がずっとコンブレーとかパリだったらもっと読みづらかったと思う。

しかし自分でも読みながら不思議なのですが、なんで一人称小説で一人称の人物がいない場面をこんなスラスラ書けるんだろう???

そんな感じで「スワンの惚れた腫れたの話結構面白いな……サロンでの滑稽な人間模様って鉄板だよな~」と思いつつ3巻に進む。

 

私が最初に出会うのはひとりの従僕だけで、そのあとについて大きなサロンをいくつも横切って通されたごく小さなだれもいないサロンは、窓という窓から見える午後の青い空に早くも夢心地である。ひとり取り残された私のお供をしてくれるのはランやバラやスミレだけとなり、それらの花が──たまたま隣り合わせた面識のない相客みたいに──じっと押し黙っているさまは、生きものとしての個性があるだけになおのこと印象深く、寒そうに身をちぢめて赤々と燃える石炭の火の熱を受けている。

(第3巻221ページ)

 

もう、ここらへんになるとプルーストの叙述が大好きになってきている。大好きなので引用しました。この比喩めちゃくちゃ良くないですか?主人公(少年時代)が好きな女の子(スワンの娘)の家にお邪魔したときの様子なんですが。3巻目ぐらいから文章そのもの、特に比喩表現に心地よさを感じるようになりました。

かつそれまでは感じなかった作品世界への没入感が急に芽生えてきました。帰宅して、『失われた時を求めて』を開くと、私は現代日本のしがない会社員ではなく、19世紀末のフランス貴族社会を覗く、パリにいる「何か」になっている……。こういう感覚がありました。

それ以降は、たまに訳文の意味を取りづらい箇所はあるものの、めちゃくちゃ楽しくプルーストを読んでいます。『失われた時を求めて』を読み終えたら似たような世紀転換期長編小説がまた読みたいです……ベルリンが舞台でそういうタイプの作品ないですかね?

 

 

7巻までを読み終えて

私の趣味嗜好を知っておられて『失われた時を求めて』を読んだことのある方なら、もう言う前からわかっとったわってなると思うんですが、登場人物の中ではシャルリュス男爵が一番好きです。

モンテスキュー伯爵の肖像画(パブリックドメイン)

失われた時を求めて』を読む前からこのモンテスキュー伯爵の肖像画が大好きで、スマートフォンに保存して眺めていたのですが、シャルリュスのモデルがこの人と知って自分の趣向のまっすぐさに誇りが芽生えた。

未読の方に説明しておくとシャルリュスは芸術を愛し、急にサディスティックになったりマゾヒスティックになったりする世紀転換期の権威的なゲイの男性貴族です。君オイレンブルクとヴィルヘルム2世を足して割ったようなキャラしてるね……(実際プルーストオイレンブルク事件から強く影響を受けてこの作品を書いてるで100%オタクのこじつけでもないと思う)

ちなみにですが7巻で登場人物がヴィルヘルム2世に言及するシーンがあり、その台詞の中で「緑色のカーネーション」という比喩が出てきているのは、明らかにオスカー・ワイルドがそれを同性愛者の象徴として使ったことを踏まえての言葉選びだと思うので驚きました。

 

(追記:まだ読めてませんが、9巻以降さらにオイレンブルク事件に対する言及が出てくるそうです)

 

あと個人的にフォン大公(作中に出てくるドイツ首相)のモデルはビューローなんじゃないかと思っています。(容姿の描写は特にありませんが、調子のいい性格とか、そのあたりがなんとなく。でもフォン大公はフランス語が完璧ではないっていう設定なんですよね)

 

続く8巻は章タイトルが「ソドムとゴモラ」になっているのからもわかるように、同性愛というテーマにぐっと近づいた話になっているみたいです。(なるべくネタバレを見ないようにしているのでこんな言い方になる)(でも今wikipedia開いて事実誤認がないように確認していたら、重要な登場人物の生死に関するネタバレを見てしまいました!!!!!)

失われた時を求めて』以外にも読みたい本が山ほどあるしまた漫画も描きたいので、読み終えるのは来年か再来年になりそうですが……。完読できたらブログでまた感想を書きたいと思います。

ここまでお読みくださりありがとうございました。

 

 

余談

オタクが『失われた時を求めて』の読書記録をブログで書くとしたら、この記事タイトルしかないやろ!と思って今回の記事名を決めたのですが、かの鹿島茂先生が全く同名の本を出されているのですね………。

上記の本を求めて検索された方がこのブログに辿り着いていたら申し訳ありません。

こういう解説本にも関心はあるのですが(特に岩波文庫版訳者の吉川先生が出された新書等)、この作品については無知なままで読み進めたいという気持ちがあり(岩波版の注がめちゃくちゃ充実しているおかげで予備知識がなくてもどんどん読めるともいう)、本編を読み終えてから手に取ろうかなと思っています。

 

 

 

 

ドイツ文化会館

 

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併設のドイツ料理カフェ・レストランMahlzeit目当てで、青山のドイツ文化会館に行ってきました。

東京のゲーテ・インスティトゥート(ドイツ政府公式の世界各国にある文化機関。語学コースや資格試験を開催している。上記の文化会館ビル内にある)の雰囲気はどんな感じかしらと見てみたいこともあり……。

大阪のゲーテ総領事館とセットの立地で梅田のスカイビルの高層階にあったので真新しくて綺麗でしたが、東京のは青山の閑静な雰囲気の中にあり、これもいい感じでした。

 

料理の写真を撮るのも忘れて食事を楽しんでしまいましたが、ランチセットのグーラーシュがお得かつとても美味しかったです。

(同じく青山のラントマンにも負けてない!)

Adlerkönigという銘柄のビールは初めて飲みましたが、これも美味しかった。

 

大通りに面しているわけでもなく、しかもドイツ文化会館のドアをくぐった奥にカフェがあるので、土曜のお昼時にも関わらず混雑無しで、かなり過ごしやすかったです。今度はカフェ利用でまた行きたいなー。

 

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フリードリヒ・エーベルト財団の東京事務所があることにビックリしました。